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複勝コロガシは本当に儲かるのか?確率と期待値で検証

 「複勝は当たりやすいから、コロガシ(転がし)で増やせば儲かるのでは?」
競馬をやっていると一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
確かに複勝は的中率が高く、コロガシで雪だるま式に増えていくイメージは魅力的です。
しかし、本当に儲かるのか?この記事では確率と期待値の観点から冷静に検証します。

目次

  1. 複勝コロガシとは
  2. 複勝の的中率とオッズの現実
  3. コロガシの成功確率を計算する
  4. 期待値で見るコロガシの損益
  5. 具体シミュレーション
  6. コロガシが抱える本質的な問題
  7. それでもコロガシをやるなら
  8. まとめ

複勝コロガシとは

 複勝コロガシとは、複勝馬券の配当金をそのまま次のレースの複勝に全額賭け、これを連続して繰り返す手法です。

例えば、1,000円を複勝に賭けて的中し、配当が1,500円になったら、その1,500円をまた次のレースの複勝に全額賭ける。
これを5回連続で成功させれば、元手の1,000円が数千円〜1万円以上に膨らむ可能性があります。

この「少額から大きく増やせる」という点がコロガシの魅力であり、SNSなどでも成功報告がよく話題になります。
しかし、成功報告の裏には見えない大量の失敗があることを忘れてはいけません。

複勝の的中率とオッズの現実

 まず複勝の基本を確認しましょう。

複勝は3着以内に入る馬を当てる馬券です(7頭以下のレースでは2着以内)。
18頭立ての場合、1頭を選んで3着以内に入る単純確率は以下のとおりです。

単純的中率 = 3 ÷ 18 = 16.7%

ただし実際には馬の実力差があるため、1番人気の複勝的中率は約60〜70%、2番人気で約50〜60%程度と言われています。

一方、オッズはどうでしょうか。

人気 複勝的中率の目安 複勝オッズの目安
1番人気 約65% 1.1〜1.4倍
2番人気 約55% 1.3〜1.8倍
3番人気 約45% 1.5〜2.5倍
4〜5番人気 約30〜35% 2.0〜4.0倍
6番人気以下 約20%以下 4.0倍〜

複勝の控除率は20%です。
つまり、全体として見れば賭けた金額の80%しか戻ってこない仕組みになっています。
1番人気は当たりやすいがオッズが低い、穴馬はオッズが高いが当たりにくい。このトレードオフは避けられません。

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コロガシの成功確率を計算する

 コロガシの最大の問題は、連続で的中させなければならないという点です。
1回あたりの的中率が高くても、連続成功の確率は急激に下がります。

1番人気(的中率65%)だけでコロガシした場合の成功確率は以下のとおりです。

コロガシ回数 成功確率 計算式
1回(転がさない) 65.0% 0.65
2回 42.3% 0.65 × 0.65
3回 27.5% 0.653
4回 17.9% 0.654
5回 11.6% 0.655
7回 4.9% 0.657
10回 1.3% 0.6510

1番人気の複勝という「最も当たりやすい馬券」でさえ、5回コロガシの成功確率は約11.6%です。
つまり約9回に1回しか成功しません。

3番人気(的中率45%)でコロガシすると、5回成功する確率はわずか約1.8%(0.455)。
約55回に1回の成功率です。

期待値で見るコロガシの損益

 成功確率が低くても、成功時のリターンが十分に大きければ期待値はプラスになり得ます。
では実際に期待値を計算してみましょう。

【条件】
・元手:1,000円
・1番人気の複勝をコロガシ
・的中率:65%
・平均オッズ:1.25倍

回数 成功時の金額 成功確率 期待値
1回 1,250円 65.0% 813円
2回 1,563円 42.3% 661円
3回 1,953円 27.5% 537円
5回 3,052円 11.6% 354円
7回 4,768円 4.9% 234円
10回 9,313円 1.3% 125円

期待値の列を見てください。
何回コロガシしても、期待値は元手の1,000円を下回っています。
しかも回数を重ねるほど期待値は下がっていきます。

これは当然の結果です。複勝の控除率は20%なので、1回賭けるたびに期待値は0.8倍になります。

n回コロガシの期待値 = 元手 × (的中率 × 平均オッズ)n = 元手 × 0.8n

控除率がある限り、コロガシの回数を増やすほど期待値は下がり続けるのです。
これはどの人気の馬を選んでも変わりません。

具体シミュレーション

 もう少し具体的に、100回チャレンジした場合のシミュレーションを考えてみましょう。

【条件】
・毎回1,000円スタートで5回コロガシに挑戦
・1番人気の複勝(的中率65%、平均オッズ1.25倍)
・これを100セット繰り返す

投資総額
1,000円 × 100セット = 100,000円

5回コロガシ成功回数(期待値)
100 × 11.6% = 約12回

成功時の配当
1,000 × 1.255 = 約3,052円

合計リターン
3,052円 × 12回 = 約36,624円

100,000円投資して約36,624円の回収。回収率は約37%です。

「あれ?控除率20%なのに回収率が37%?」と思うかもしれません。
これはコロガシの場合、途中で失敗した分の投資額は全て失われ、成功した場合のみ回収できるからです。
失敗した88回分の1,000円(=88,000円)は丸ごと消えます。

一方、もし同じ100,000円を毎レース1,000円ずつ100回、単発で複勝を買っていたら、

100,000円 × 0.80(期待回収率)= 80,000円

回収率80%。コロガシにしない方が2倍以上マシという結果です。

コロガシが抱える本質的な問題

 ここまでの検証で見えてきた、コロガシの本質的な問題は2つあります。

問題1:控除率が「複利」で効いてくる

単発で賭ける場合、控除率20%は1回だけ引かれます。
しかしコロガシでは、配当金を再投資するたびに控除率が掛かります。

1回目:元手 × 0.8
2回目:元手 × 0.8 × 0.8 = 元手 × 0.64
3回目:元手 × 0.83 = 元手 × 0.512


控除率が複利的に作用し、回数を重ねるほど不利になっていきます。
5回コロガシなら 0.85 = 0.328、つまり期待回収率は約33%まで下がります。

問題2:「全額再投資」は資金管理として最悪

コロガシは的中した配当を全額次のレースに投入します。
これは資金管理の観点から見ると、途中で1回でも外れれば全てを失う「オールイン」の連続です。

仮に5回コロガシの途中、4回連続で的中したとしましょう。
この時点で1,000円が2,441円に増えています。
しかし5回目で外れれば2,441円は0円です。4回分の的中は何の意味も持ちません。

途中でどれだけ勝っていても、1回の不的中で全てリセットされる。
これがコロガシの最大のリスクです。

それでもコロガシをやるなら

 期待値的にはマイナスのコロガシですが、「少額で大きなリターンを狙う遊び」として割り切るなら、以下の点を意識すると良いでしょう。

1. 回数は少なく(2〜3回まで)
回数が増えるほど控除率の複利効果で期待値が下がります。
2回コロガシ(期待回収率64%)と5回コロガシ(期待回収率33%)では、効率が倍近く違います。

2. 中穴を混ぜる
1番人気ばかりだとオッズが低すぎて、成功しても大きく増えません。
2〜4番人気でオッズ1.5〜2.5倍程度の複勝を選べば、少ない回数でも十分な増え幅が期待できます。
ただし、その分成功確率は下がることを理解しておきましょう。

3. 失っても痛くない金額で
コロガシは失敗確率の方が圧倒的に高い手法です。
元手は「なくなっても構わない金額」に設定し、成功したらラッキーという心構えで臨みましょう。

まとめ

・複勝コロガシは回数を重ねるほど期待値が下がる(控除率の複利効果)
・1番人気の5回コロガシでも成功確率は約12%、期待回収率は約33%
・同じ金額を単発で賭ける方が期待値は高い(回収率80% vs 33%)
・途中でどれだけ勝っていても、1回の不的中で全額失う
・やるなら回数は2〜3回、少額で、遊びとして割り切る

コロガシの成功報告は目を引きますが、その裏には何十回もの失敗が隠れています。
「当たりやすい馬券をコロガシすれば儲かる」は、数字で見れば幻想です。
馬券で長期的に利益を出すには、コロガシよりも
1レースごとの期待値を積み重ねる方が合理的です。

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